<情熱的ラブレター 09.01.07>
REBORN!
XANXUS×スクアーロ





「ッてぇ゛!!」

色気のねぇ悲鳴だな、とザンザスは溜息をついた。
相手が女なら甘く掠れた悲鳴をあげるというのに、銀髪の男ときたらお得意の大声と濁点をフルに使った叫び声だ。
眉を寄せる表情ばかりが艶っぽくて、ただそのアンバランスさは嫌いでないと思った。
そもそも、女に自分の痕を残すことはしない。執着がないからだ。

「ッてめ、思いっきり噛んだだろぉ…!」

乱れた銀髪の間から、薄く涙の膜が張った銀灰の瞳を向けてくる。
肩のあたりを振り返るのはさすがにきついのか、ちらちらと視線ばかりが傷口に向かう。
綺麗についた赤い歯型に、我ながらなかなかに歯並びが良いとザンザスが鼻を鳴らす。
その途端、スクアーロのこめかみに血管が浮かぶのが見えた。

「う゛お゛ぉい!なに自分の歯型に見惚れてんだてめぇ変態か!!」
「てめぇが変態だろうがドカス」
「俺のどこが……ッ、ぅ」
「痛ぇという割にゃ萎えてねぇとこがだ」
「ッンのクソボス…!」
「うるせぇよ」
「うァ……ッ」

残った噛み痕をべろりと嘗める。
一度目のふいうちには耐えたはずの喘ぎが、二度目の刺激にはあっけなく堕ちる。

「なんだ、そんな声も出せるんじゃねぇか」

ザンザスが満足そうにからかうのを、スクアーロは諦め混じりに見上げる。

「……この変態」

(あんたの独占欲にはついていけねぇ)

fin.


歯型=ラブレター。 title:不在証明 << Back